2009 Fiscal Year Annual Research Report
学級を「学びの共同体」にするための教師の力量形成プログラムの開発
Project/Area Number |
19530688
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
原田 信之 Gifu University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20345771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高旗 浩志 島根大学, 教育学部, 准教授 (20284135)
渡邊 あや 熊本大学, 教育機能開発総合研究センター, 准教授 (60449105)
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Keywords | 教育学 / 協同学習 / 学びの共同体 / グループ学習 / 教師教育 / 社会コンピテンシー |
Research Abstract |
よき市民社会の一員として、他者の多様性や異質性、個別性と向き合いつつ、積極的に互いの違いを理解し、そのうえで信頼を紡ぎ、認め合い、支え合うことを学ぶ機会は、多様な個人が集う学校の授業場面にこそある。そのため本研究では、児童生徒が学び合い支え合う関係を構築する「学びの共同体(ラーニング・コミュニティ)」づくりを目指し、協同学習の指導法を習熟段階化した「教師の力量形成プログラム」として開発した。本プログラムは、「学びの共同体づくりを実現する学習集団形成モデル」と「協同の学びを実現する教師の力量形成モデル」のデュアル・システムとして構造化している。この授業技法化モデルは、「協同の学び」を実現する具体的な方法を、主に協同学習の考え方や技法を組み入れてモデル化することを試みたものである。「個人思考」と「集団思考」のやりとりを軸に、協同の精神に支えられた対話的交流による主体的な問題解決の段階を設定しているところに特徴がある。このプログラムは、教員研修用プログラムとしても効果的なものとするため、複数の教師によるワークショップ方式を用いた検討や公立小中学校の教員約2100名を対象に、1都9県で実施した「グループ学習の工夫に関する実態調査」の分析結果を踏まえてある。わが国でほとんど実践例が見当たらない授業技法や、本プログラムによって育まれる社会コンピテンシーの要素を把握するため、海外(ドイツ、フィンランド等)の事例を摘出し補完した。PISA調査で測定する学力の枠組みとなるキー・コンピテンシーでは、「異質な集団で交流する」ことの中身として、他人とよい関係をつくる、協力しチームで働く、争いを処理し解決する等が示されており、本研究で開発したプログラムを通し、教師が指導技量を高め、児童生徒の社会コンピテンシーを計画的に育成することに寄与することが期待できる。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
原田信之
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Journal Title
第3章11「総合的な学習の時間における指導のポイント」、『新しい教育課程における言語活動の充実』(財団法人学校教育研究所編)(学校図書)
Pages: 136-139
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[Journal Article]2010
Author(s)
原田信之, ほか
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Journal Title
学級を「学びの共同体(ラーニング・コミュニティ)」にするための協同学習(岐阜大学消費生活協同組合)
Pages: 3-27, 28-34, 55-74, 75-108
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[Journal Article]2009
Author(s)
Harada, Nobuyuki
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Journal Title
Aktiv erlebter Umgang des Menschen mit der Natur. In : Moschner, Barbara u.a. (Hrsg.): Unterrichten professionalisieren-Schulentwicklung in der Praxis.(Cornelsen Scriptor)
Pages: S.109-116
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[Journal Article]2009
Author(s)
原田信之
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Journal Title
2章「総合的な学習の時間をリニューアルする」、『リニューアル総合的な学習の時間』(原田信之編著)(北大路書房)
Pages: 31-42
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