2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児教育における保育内容の再構造化:学校教育を貫く3つの軸から
Project/Area Number |
19530728
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Research Institution | Shiraume Gakuen University |
Principal Investigator |
無藤 隆 Shiraume Gakuen University, 教授 (40111562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 路子 白梅学園大学短期大学, 保育科, 講師 (30389853)
掘越 紀香 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (80336247)
砂上 史子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60333704)
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Keywords | 幼児教育 / 保育内容 / 協同的な遊び / 学習の芽生え / 自己制御 |
Research Abstract |
幼稚園の保育の観察を行い、協同的な学び、自己抑制、学びの芽生えなどの観点から分析を行い、その形成過程を記述した。以下の4つについて並行して、観察と分析を行っている。 1)子ども同士の協同関係の成立過程について、3歳から4歳の観察を1クラスについて行った。並行して、5歳児の協同的な学びの活動について観察を行い、幼児期における「完成形」としての協同のあり方とそこでの保育者による支援の様相を記述した。特に、子ども同士の協同をその共通する目的と途中の過程の活動との間の相互的影響関係にあるとして特徴づけた。 2)4歳児期における自己主張・自己抑制の発達を探るため、多少の問題を抱えた子ども2名に焦点を絞り、気持ちの落ち込みから立ち直る様子を観察し、友達からの支えや気持ちを表明することを通してその立ち直る時間が短くなっていくことを示した。 3)学びの芽生えを探るため、年長児においてその知的な活動や物的環境との関わりについて観察データを収集した。その際の保育者の援助について注目し、知的な行動を促す援助のあり方として、子どもの気づきをとらえる、他の場面と比較する面白さを体験させる、繰り返し試せる、仲間と共有する、展開を予測して環境構成するなどが重要であることを見いだした。 4)3歳・4歳・5歳と観察を進めてきた中で、特に、4歳児について観察を継続するとともに、5歳児のクラスについて合計8回の詳細な観察記録を作成した。そこから、子どもの成長を踏まえた活動の特徴とその人間関係に対して教師が援助するあり方を分析して、学びの芽生えが身体的な振る舞いの子ども同士の関係と切り離せないことを示した。
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Research Products
(19 results)