2008 Fiscal Year Annual Research Report
問題行動・指導・評価をめぐる歴史・社会学的研究:子どもへの<まなざし>に着目して
Project/Area Number |
19530761
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
北澤 毅 Rikkyo University, 文学部, 教授 (10224958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有本 真紀 立教大学, 文学部, 教授 (10251597)
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Keywords | 教育学 / 社会学 / 問題行動 / 教育評価 / 生徒指導 / 学校的社会化 / 身体技法 / 教育言説 |
Research Abstract |
本年度は前年度で得られた知見をもとに、以下2つの下位テーマを設定した上で教育における「子どもへの<まなざし>」の総合的研究を推進した。1「教育実践場面における『学校的社会化』の研究」:教師による<まなざし>のもと、いかにして子どもは学校生活に溶け込んでいくのであろうか。いわば子どもの「学校的社会化」がそこでは行われており、そのメカニズムを明らかにすることが本研究の主たる関心である。これは子どもが「児童になる」過程(=「児童」の成立過程)を探究しようとする研究であり、「社会化」「評価」「授業の成立」「学校的身体の成立」といった教育研究にとっての重要テーマに関連する研究として位置づけることができる。調査内容としては、昨年度の継続で2008年4月末までは茨城県内の小学校の参与観察を実施し、9月からは都内の公立小学校で調査を再開し、研究分担者・連携研究者・研究協力者によって週1回の参与観察・ビデオ撮影を実施し、同時にフィールドノーツや映像データのトランスクリプト作成を行ってきた(2009年7月までこの調査は継続予定である)。同時に本学卒業生である小学校教員との年2回の研究会に加え、調査対象校とのデータセッションも行い、実践者である教員たちとの共同的な意見交流も推進している。2「『子どもへの<まなざし>』の歴史的成立過程の研究」:1において教育実践場面に着目する一方、本年度より明治期以降の小学校の学籍簿・個性調査簿等の歴史資料の収集に着手している。今年度は都内・茨城県内・山形県内の小学校で資料収集を実施したが、今後より一層の資料収集と分析を進めていく予定である。この調査は日本の近代学校制度成立期における「児童理解・評価・指導」体制の確立と浸透に関する歴史社会学的接近であり、本研究のメインテーマである「子どもへの<まなざし>」の多角的な研究を推進する上で重要な意義を持つと考えている。
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Research Products
(8 results)