2007 Fiscal Year Annual Research Report
世代間の技能伝承を中心に、地域の教育力をものづくり教育に定着させる題材の開発
Project/Area Number |
19530787
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤澤 英昭 Chiba University, 教育学部, 教授 (90173418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 信夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (40026620)
鈴木 隆司 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30375597)
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Keywords | 世代間 / 地域 / ものづくり / 技能伝承 / 題材開発 |
Research Abstract |
19年度ではまず最初に経済産業省所轄の「全国伝統的工芸品センター」を現職の小学校、中学校の教員らと訪問し,副所長三上氏と会談し,概括的な情報を確認した。経済産業省でも伝統を中心にすえたものづくりは「教育機関」との連携に急激に傾斜しているとの印象を持った。同時にものづくりの重要性についての問題意識は共有されているようにも思われた。本学の小学校教員養成課程において鋼と地金の理解,刃物の構造と使い方,加工方法の技能習得を目指して切り出し小刀の製作を伝統的な鋼を用いて実践した。多くの学生はまったく刃物の周辺情報についても未体験であったが,試行錯誤を重ねてそれぞれの気に入った形状の小刀を製作することができた。この実践については今後とも精度を上げるように各年度実践を重ねていく。また千葉県独自の食に関わるものづくりとして太巻き寿司の実地指導をお願いした。これは千葉県の房総地域にハレの行事に伝統的に作られていた装飾的な料理であるが,近年はその形状の斬新さが評価され,小学校や中学校の家庭科との連携的な実践が散見されるようになった。房総東部地区の年配の指導者に本学において実践していただいた。多くの学生も参加して,色の作り方,形状の作り方,行事に即した伝統パターンの制作などを学習した。 さらに兵庫県三木市を訪ねて,特に木工加工道具の製造業者から近年の動向や生活との関わり全般について多くの情報を得た。同時に神戸の竹中道具博物館を訪問し,館長から大工道具の変遷について丁寧な解説をしていただいた。やはり問題意識としてはものづくりはわが国の文化理解に繋がる大切な導入路と思われた。
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