2009 Fiscal Year Annual Research Report
美術文化のアイデンティティと美術教育のあり方に関する研究
Project/Area Number |
19530838
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
梅澤 啓一 Rissho University, 社会福祉学部, 教授 (80269993)
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Keywords | 美術文化 / アイデンティティ / 美術教育 / こどもの絵 / 日本:アジア:欧米 / 感性 / 発達 |
Research Abstract |
世界60数カ国の5歳から15歳までのこどもの絵画作品を、文献研究の成果に照らし合わせて、以下の視点で分析を行なっていくことに取り組んで来た。 1、各国の美術文化の形成過程と実態はいかなるものか。 2、各国における内外の美術文化は、その国の美術教育の内容・方法にいかに影響しているか。 3、各国の「美術文化のアイデンティティ」が、それぞれの学習指導要領にいかなる形態で具体化されてきたか、またそのことによっていかなる状況を生んできているか。 20年度までは、分析のための資料類の収集など、本研究の達成のための準備に時間を費やして来た。具体的には、発達のメカニズムを明らかにする文献や各国の文化と教育のあり方や比較に関する文献の収集と整理、共同研究者の手助けの基に、子どもの作品をDVDとしてデータベース化し、作品を国別、年齢別に検索できるようにしたことである。ところが、子どもたちの作品は、国ごと、年齢ごとに数量がまちまちであるために、量的研究方法では成果をあげることができない。そこで、個々の作品ごとに分析を進め、発達における共通項は何か、さらに国や文化・状況による異なりは普遍的な発達のメカニズムに照らしていかに解釈しうるかの考察を行なってきた。すなわち、子どもが、その人格の発達の各過程で、対象のいかなる諸側面をとらえて、それらを自分にとっての現実の形態として意識上でいかに構成してとらえており(事実判断)、同時にその形態にいかなる感性的評価を加えているかをつぶさに見ていき、年齢ごとの子どもの作品の分析をし、そこに内在する発達のメカニズムを探るという作業である。 この研究作業を21年度中にまとめるようにしたいと考えていたが、身体を壊したことや他業務に追われて、研究成果発表などができていない。この間ヨーロッパの美術文化の視察や文献整理を通じて、研究の考察に新しい視点を加えることの必要性を実感してきたりはしたが、6月の研究成果報告書では中間的な報告とし、具体的な論文等での発表の機会を求めるのは22年度移行になる模様である。
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