2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540015
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
木田 雅成 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (20272057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 真裕 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (70277820)
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Keywords | クンマー理論 / 逆ガロア問題 / 代数的トーラス / イデアル類群 |
Research Abstract |
本年度は代数的トーラスのクンマー理論へのガロア群の作用と、その数論的応用について、研究を進めた。 代数的トーラスのクンマー理論がある相対ガロア拡大体K/kで定義されていれば、K/kのガロア群が自然にクンマー理論に作用する。この作用が一次元の作用になる場合を主に調べた。この作用による代数的トーラスの有理点の分解が別の代数的トーラスの有理点として得られることを示すことに成功した。また、この応用として、ある種のメタ巡回拡大が代数的トーラスの有理点でパラメータ付けできることを明らかにすることができた。この結果は前年度得られていた結果の改良・精密化であり、この点を含めた英文論文を作成し、現在学術雑誌に投稿中である。 またこの構成の応用として、前年度から継続して研究を続けてきた、イデアル類群の鏡映定理については、ひとつの結果が得られ、2010年6月に香川大学のセミナーで発表することができた。しかしながら、この結果は現在のところ、既存の結果の別証明といったレベルにとどまっており、論文の形にまとめるためには、今後の研究で具体的な計算での有用性などを示すことにより、この結果の成果を高めていかなくてはならないと考えている。 当初の研究課題であったペアリングの研究や、生成多項式の計算に関しては、結果に到達できるまでにはいたらなかったが、関連文献の調査、論文の精読などを行い、今後の研究につながるものを得ることができた。
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