2008 Fiscal Year Annual Research Report
ファノ多様体の組合せ論とその佐々木・アインシュタイン多様体への応用
Project/Area Number |
19540098
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
橋本 義武 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (20271182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 幸則 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30191117)
|
Keywords | 幾何学 / 代数学 / 数理物理 |
Research Abstract |
ファノ多様体の一種である,デルペッツォ曲面の理論には,曲面のスピン構造が自然にあらわれることがよく知られている.一方,2006-07年に発表されたCimasoni-Reshtikhinの仕事により,曲面のスピン構造とダイマー模型の分配関数との関係がわかってきた.これを受けて,当該年度においては,曲面のスピン構造の研究をおこない,そのダイマー模型との関係をさらに調べた.そして,Cimasoni-Reshetikhinとは別の仕方で,ダイマー配位とスピン構造の間の対応をあたえ,分配関数のKasteleyn公式のより簡潔な証明を見いだした.この結果は,以前に得られていた,超楕円曲線のスピン構造の記述(Mumfordが代数幾何的にあたえたもののトポロジー的定式化)とともに,日本数学会2008年度秋季総合分科会トポロジー分科会特別講演において報告した.現在論文を執筆準備中である.これを受けて,ダイマー模型がファノ多様体の組合せ論の研究の新しい方法を与えることが期待される.またこれとは別に,2006年に発表されたManolescu-Ozsvath-Szabo-Sarkar-Thurstonの組合せ的Floerホモロジーについて研究した.特に,係数をZ/2からZにもちあげる際の符号の議論について詳細に検討した.2007年に発表されたGallasの仕事と比較すると,この議論はスピン構造と深い関係があるという予想が立つ.この結果,「組合せ的Floerホモロジーの理論において,スピン構造の果たす役割を理解せよ」というテーマが次の課題となった.この考察については,第4回代数・解析・幾何セミナーにおいて発表した.
|
Research Products
(9 results)