2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540248
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Research Institution | Gunma Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
橋本 修 Gunma Astronomical Observatory, 観測普及研究グループ, 専門員(観測普及研究員) (20221492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 健三 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究グループ, 主任(観測普及研究員) (00356130)
田口 光 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究グループ, 主任(観測普及研究員) (20356132)
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Keywords | 恒星 / 晩期型星 / 炭素星 / AGB / 恒星進化 / 化学組成 / 炭素 / 同位体比 |
Research Abstract |
県立ぐんま天文台の1.5m望遠鏡に設置された可視高分散分光器GAOESを用いて、多数の炭素星に対する可視域での高分散分光観測を行い、炭素の同位体比12C/13Cを測定し、HR図上の漸近巨星枝(AGB)における炭素星の形成とその進化のシナリオを詳細に検討することが本研究の目的である。2007年度には、GAOESのCCD検出器をサイエンスグレードと呼ばれる最高精度のものに換装するとともに波長設定精度や安定度を決定するクロスディスパーザ制御システムの調整を行った。詳細な性能の評価を行った結果、分光器として感度や精度が著しく向上したことが確認され、結果は日本天文学会等で報告されている。分光器本体以外にも制御計算機や望遠鏡の周辺装置の改良を行い、高い波長分解能で広い波長域のスペクトルを取得することができるGAOESの本来の特長を最大限に活かしながら本課題のための観測を効率よく遂行できる体制が確立された。 このような状況の下、ぐんま天文台の柔軟な観測プログラムの運用も活用し、炭素星の分光観測が実行された。これまでのところ、最終目標の約15%にあたる十数個の天体に対して高精度の観測データが取得され、現在も観測が継続されている。取得された観測データは、新しく導入した記憶装置が組み込まれた計算機システムに保存され、そこに於いてさらなる処理、解析がなされるようになっている。最終的な測定結果を出すためには詳細な理論モデルの適切な利用が不可欠であるが、これらについても、この計算機システムの上で整備を進めており、今後の観測データの増加とともに、高精度の解析結果が得られるようになる見込みである。
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Research Products
(10 results)