2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540248
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Research Institution | Gunma Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
橋本 修 Gunma Astronomical Observatory, 観測普及研究係, 主幹(観測普及研究員) (20221492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 英則 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究係, 主任(観測普及研究員) (80361567)
本田 敏志 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究係, 主任(観測普及研究員) (20425408)
田口 光 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究係, 主任(観測普及研究員) (20356132)
衣笠 健三 群馬県立ぐんま天文台, 観測普及研究係, 副主幹(観測普及研究員) (00356130)
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Keywords | 恒星 / 晩期型星 / 炭素星 / AGB / 恒星進化 / 化学組成 / 炭素 / 同位体比 |
Research Abstract |
県立ぐんま天文台の1.5m望遠鏡に設置された可視高分散分光器GAOESを用いて、多数の炭素星の可視域での高分散分光観測を行い、炭素の同位体比^<12>C/^<13>Cを測定し、HR図上の漸近巨星枝(AGB)における炭素星の形成とその進化のシナリオを詳細に検討することが目的である。 各部を整備することによって観測の精度と効率が向上した望遠鏡とGAOESからなる観測システムを用いて、観測を継続し、ほぼ目標に達する約50個の炭素星の高品質な分光データを取得した。これは所期の研究目的を達成するために十分な数のサンプルである。観測されたデータはこれまでに導入してきた大容量の記憶装置と計算機を用いて整約処理が行われ、較正され一次元に処理された分光データは統一された形式のファイルとして保存され、直ちに解析に用いることのできるデータベースを構成している。また、炭素同位体比を測定するために必要な炭素を含む分子に関する吸収線のデータの収集・整理と、辻による低温度星大気の数値モデル(Tsuji 1965, PASJ17, 152, Tsuji 1976, PASJ 28, 543)の整備を行い、これらを用いて観測データの解析を進めている。 観測から実際に得られた分光スペクトルは、極めて広範な波長範囲とそこに含まる膨大な吸収線を持ち、また高い波長分可能による深く鋭い吸収線の輪郭を示し、解析には当初の想定を遥かに上回る細心の取り扱いが必要なことが明らかになってきた。このため、今年度は主に解析方法の吟味を行っている。基本的な組成解析が比較的容易な炭素星以外の天体についても、観測と分光データの分析を並行して行い、整備した分光器の能力や処理手法の妥当性を確認している。観測システムの整備の状況や、これを用いた観測結果、あるいは計画の進捗状況などは、論文や学会、研究会などで適宜報告されている。
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Research Products
(15 results)