2007 Fiscal Year Annual Research Report
電弱対称性の自発的破れの現象論的研究による標準模型を超えた新物理学の理論の決定
Project/Area Number |
19540277
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
兼村 晋哉 University of Toyama, 理工学研究部(理学), 准教授 (10362609)
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Keywords | ヒッグス / 新物理学理論 / 現象論的研究 / 加速器実験 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は、素粒子標準模型で最後の未知の部分である電弱対称性の自発的破れの部分(ヒッグスセクター)の性質を理論的洞察と将来の加速器実験での検証によって決定し、素粒子の質量期限の謎を解くとともに標準型を超えた「新しい物理学」(newphysics)の方向性を明らかにすることにある。今日の素粒子標準模型では、電弱対象性の自発的破れという現象が素粒子に質量を与えるが、本研究計画では「ヒッグスの物理=新物理学の窓」という観点にたち理論的考察と実験による検証でヒッグスセクターの構造と性質を解明することにより、素粒子の質量起源の謎を解くだけでなくnew physicsの方向性を決定することを目指している。 A.新物理学の効果をその低エネルギー有効理論に含まれる高次元演算子として理論的に表現、分類しその理論的性質、実験データからの制限を研究した。特に、ヒッグス自己相互作用およびトップ湯川相互作用を大きくずらす新物理学の効果について調べ、LHCなどの加速器実験でのヒッグス生成過程や崩肺壊を計算することによりその現象論的分析を行った。現在論文を執筆中である。 B.拡張ヒッグス模型に特有な荷電ヒッグス場の性質を通じ新物理学の模型を検証する可能性を調べる研究の一環としてヒッグス3重項を含む模型(Georgi-Masacek模型)の理論的な性質を調べ、論文として出版した。 C.計画中のフォトンコライダーでヒッグスの物理を検証し、ヒッグスポテンシャルを決定する可能性を調べるため、フォトンコライダーでのヒッグス対生成の計算を実行しヒッグスが重い領域で、このプロセスがヒッグス自己結合の測定に有効であることを明らかにした。この研究は実験家も交えたシミュレーション研究に発展しつつある
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Research Products
(10 results)