2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子準結晶の発見-新準結晶の構造と物性の理論的研究
Project/Area Number |
19540365
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堂寺 知成 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (30217616)
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Keywords | 準結晶 / 物性理論 / 高分子構造・物性 / 自己組織化 / フォトニック結晶 / ミクロ相分離 / アルキメデスタイリング / ブロック共重合体 |
Research Abstract |
古典結晶学で許されない回転対称性を持つ「準結晶」の発見は20世紀後半の物質科学上の大発見の1つであるが,この20年研究は主に合金系で閉じられていた.一方,近年ナノテクノロジーの隆盛も相まって,ソフトマターにおける自己組織化構造が注目を浴びているが,高分子領域では準結晶のような複雑な構造は発見されていなかった.われわれは2007年度,高分子準結晶発見の論文を公表し,金属(ハードマター)だけでなく高分子(ソフトマター)にも準結晶が存在することを明らかにし,スケールによらない準結晶構造の普遍性を示した.これは物質科学上の大きな発見といえ,2008年度は準結晶国際会議(スイス),第11回国際結晶学連合会議など招待講演を行うなど各地で成果の公表を行った.また,解説論文を公表した.これらのことを通じて高分子系ソフト準結晶を準結晶研究分野に確立し,同時に,準結晶構造を高分子研究分野に確立した. 準結晶の熱力学的起源に関わり高温での比熱の増加が金属系でも議論されているが,高分子系での計算機実験でもそれに対応する結果が得られ論文を明らかにした.これは準結晶の起源論に関わる重要なヒントを与えるものでさらなる研究が期待され2008年度の主たる成果である.また,関連する高分子系において実験研究者と共同研究を行った.この高分子準結晶の長さスケールは金属系の数百倍スケールアップしたメソ領域,すなわち光波長に近く,光コンピューターへの夢を持つフォトニック結晶への応用への夢も広がる.そこで関連する3次元系のフォトニックバンド計算を行った. この研究題目の研究目的は,高分子準結晶の実験的発見と高分子準結晶の構造と物性の理論的研究を推進することであるが,2年度は,1年度の成果である高分子準結晶発見を広め,さらに3年目に向けて理論研究の土台を築いたと言える.
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Research Products
(18 results)