2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540371
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸根 順一郎 Kyushu Institute of Technology, 工学研究院, 准教授 (80290906)
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Keywords | カイラル磁性体 / スピントロニクス / 異常ダイナミクス / スピンウィグナー結晶 / 非線形磁化 / 巨大応答 / 液晶とのアナロジー / 磁気光学効果 |
Research Abstract |
本研究は、カイラル磁性体という結晶対称性に保護された磁気秩序状態で,スビンのマクロ位相を制御し,物理的応答を活用する道を切り開くことを目的としている.20年度は,特にスピンカレントの物理的意義,カイラリティによって保護されたソリトン解の構成について成果を上げることができた.具体的に,カイラルソリトン格子の並進運動を記述する正準理論を構築し,有効ハミルトニアンを得ることに成功した.この理論形式に基づいて,ソリトン格子の並進に伴って現れる縦磁化の輸送現象を詳細に議論した.また,カイラル磁性体に特有の現象として,磁場の配向によって基底状態の対称性の破れ方が質的に異なることを見出した.この結果,素励起にも本質的差異が現れ,この効果を電子スピン共鳴によって検出し得ることを初めて指摘した.形で統一的に記述することに成功した.これらの成果は,フィジカルレビュー誌3編,フィジクスレター誌1編に掲載された. また,本科研費を使ってウラル州立大学のオブチニコフ准教授との共同研究を進めるためロシアへ出張した.この成果として,カイラル磁性体特有のフォノンモードの発見,ソリトン格子の電流による駆動機構の解明を行った.この結果は現在登校中である.
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Research Products
(7 results)