2007 Fiscal Year Annual Research Report
結合興奮素子の自己組織的 スパイクパター形成と機能
Project/Area Number |
19540390
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柳田 達雄 Hokkaido University, 電子科学研究所, 助教 (80242262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 冨誌生 京都大学, 情報科学研究科, 講師 (90252486)
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Keywords | 自己 / 神経発火 / 興奮素子 / 同期現象 / ネットワーク |
Research Abstract |
興奮性ダイナミクスは自然界で幅広く観察される振る舞いである。特に、神経系における電気刺激の伝達や心筋収縮などの生物機能の重要な役割を担う性質である。興奮性ダイナミクスには、不応期・静止期・興奮期という特徴的状態が存在する。このような状態を離散化したMcCulloch-Pittsモデルから神経活動を連続変数である発火周波数で記述する発火頻度モデルと様々なレベルでの記述が行われている。一方、単一神経細胞では周期的外部刺激に対して、引込み現象やカオスなどの多様な応答を示すことが実験的に知られている。このような複雑な応答はアナログ的非線形力学によって生み出されているため、極度に簡略化した数理モデルにない性質である。 本年度は、引込みやカオスなどの力学特性をもつ興奮素子の結合系に現れる自己組織的ダイナミクスと応答特性及び機能との関連を目指して研究を行った。アナログ的興奮性力学を保持しつつ数値実験可能なFitzHugh-Nagumo方程式を要素方程式として用い、簡単のため拡散的結合を取扱い、以下の解析を中心に進めた。 1.興奮媒質が空間的な岐別れをもつ系の外部入力に対する応答を数値計算により解析し、成果はT. T. Yanagita: "Input-Output Relation of FitzHugh-Nagumo Elements Arranged in a Trifurcate Structure", Phys. Rev. E, 76: 56215-56228(2007)として掲載された。 2.興奮媒質が側方的に結合した系におけるパルス衝突や同期現象を数値計算により詳細に調べ、その成果をH. Suetani, T. Yanagita and K. Aihara: "Pulse Dynamics in Coupled Excitable Fibers: Soliton-like Collision, Recombination, and Overtaking", International Journal of Bifurcations and Chaosで印刷中である。
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Research Products
(1 results)