2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540428
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 明彦 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60252342)
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Keywords | 液晶ゲル / スメクチック液晶ゲル / ネマチック液晶ゲル / 体積相転移 / エラストマー / 側鎖型液晶ゲル |
Research Abstract |
本年度は,液晶性溶媒分子と混合した場合の液晶高分子ゲルの体積相転移の挙動を研究することが目的である。この場合,液晶ゲルがもつ液晶相転移温度と,液晶溶媒分子が持つ液晶相転移温度の2つの温度が競合するので,2段階の体積相転移挙動が潜んでいる。たとえば,溶媒分子の相転移温度が,ゲルの相転移温度より低い場合,温度を高温側から下げると,まず始めに,液晶ゲルの周りの溶媒分子が液晶相に相転移する。さらに温度を下げると今度はゲルが液晶相に相転移する。このような液晶溶媒分子と液晶ゲルの混合系で,等方相からネマチック相への相転移温度(TNI)と,ネマチック相からスメクチック相への相転移温度(TSN)を考えると,この系には6つの相転移温度が存在することになる。これまでのところ,液晶溶媒分子と液晶高分子ゲルのTNIについて調べてきた。側鎖型液晶ゲルの主鎖と側鎖の配向方向と液晶溶媒分子の配向方向によって,8個以上の構造の異なるネマチック相が現れることを理論的に明らかにした。このような構造の異なるネマチック相は,高分子上の液晶分子と溶媒分子の間の配向相互作用によって起こることが明らかになった。研究結果は,液晶高分子ゲルの構造を考える上で意義があり,新しい材料設計の基礎において重要である。液晶高分子ゲルがもつ様々な構造と体積相転移の関係を解明することで,これまでの理論や実験てき研究では議論されなかった液晶ゲルの構造に関しての新たな解釈の可能性が出てきた。
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Research Products
(10 results)