2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540428
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 明彦 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60252342)
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Keywords | 液晶ゲル / スメクチック液晶ゲル / ネマチック液晶ゲル / 体積相転移 / エラストマー / 側鎖型液晶ゲル |
Research Abstract |
本年度の前半では液晶溶媒中に溶けた側鎖型液晶ゲルの構造と体積相転移についての計算を行った。側鎖型液晶ゲルの主鎖部分の配向と側鎖の配向を考えることで液晶ゲルの様々な構造を記述することが出来た。さらに溶媒分子の配向を考慮することで,構造の異なる6種類のネマチック相の存在を示した。例えば,高温では等方相であるが,温度を下げていくと,溶媒の液晶分子と側鎖の液晶分子は同じ配向方向を持つが,側鎖型液晶ゲルの主鎖部分はそれに垂直の配向方向を持つネマチック相に相転移する。ここではこのネマチック相をN_<11>相とよぶ。さらに温度を下げると,主鎖の液晶高分子が伸びて配向し,その結果,主鎖と側鎖が同じ配向方向を向き,溶媒の液晶分子がそれに垂直方向に配向するネマチックN_<12>相が現れる。ここでは,ゲルは溶媒分子をはき出し,ゲルの体積は急激に減少する。温度変化によって,ゲルの液晶構造の変化をともなった3段階の体積相転移が起こることを示した。ネマチック液晶ゲルの体積相転移はこれまでに実験的・理論的研究は行われているが,液晶ゲルの構造を取り入れた理論的研究は少なく,新しい構造や概念を提供できたとは意義がある。本研究の結果は,J.Chem Phys.に掲載された。 本年度の後半では,液晶ゲルの外場による変形について研究をおこなった。液晶ゲルに力学的変形を加えたときの,応力-歪み曲線や,配向秩序パラメーターの歪み依存性を計算するための理論の構築をおこなった。今後はスメクチック相の応力-歪み曲線の計算を行う。
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Research Products
(13 results)