2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540428
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 明彦 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60252342)
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Keywords | 液晶ゲル / スメクチック液晶 / ネマチック液晶 / 体積相転移 / エラストマー / 側鎖型液晶ゲル / 応力 / 歪み |
Research Abstract |
4年間の基盤研究の最後の年である。電場や磁場などの外場によるネマチック液晶ゲルの変形の問題は既に終わっているので,本年度は外場として力学的変形を考え,スメクチック液晶ゲルの変形の問題について研究を行った。スメクチック液晶ゲルのスメクチック相に垂直方向や平行方向に歪みを与えたときの,応力と歪みの関係やスメクチック相の秩序について理論的に計算を行った。 スメクチック液晶ゲルの弾性自由エネルギーとスメクチック相の自由エネルギーを組み合わせて,スメクチック液晶ゲルの自由エネルギーを構築した。ここでは,体積一定の条件下で変形の問題について取り組んだ。スメクチック相の配向方向に平行に変形を加えると,歪みの増加にともない応力が増加し,大きな変形下ではスメクチック液晶構造が壊れ等方相に相転移し,応力が急激に減少することを示した。特に,スメクチック相の秩序パラメーターを考慮に入れて,スメクチック相から等方相への相転移を記述できる理論モデルを構築できたことは重要な結果である。 これまでの4年間の研究途中で申請時には考えもしなかった様々なアイデアが生まれてきた。特に,2軸性のネマチック液晶ゲルに関する研究は,今後さらに,液晶ゲルや液晶エラストマーの新たな側面となることは間違いない。さらなる液晶ゲルの研究に繋げていきたい。
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