2009 Fiscal Year Annual Research Report
ダスト・トレイル理論による流星群と母彗星-小惑星活動史の研究
Project/Area Number |
19540449
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
渡部 潤一 National Astronomical Observatory of Japan, 天文情報センター, 准教授 (50201190)
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Keywords | 流星 / 流星群 / 彗星 / 小惑星 / 光赤外線天文学 |
Research Abstract |
流星群の活動から、母天体である彗星あるいは小惑星の活動史を解明することを目的とし、昨年度に引き続き、枯渇彗星の可能性のある近地球小惑星の中から、地球に接近するものや、既知の流星群と軌道が一致するような天体をピックアップし、複数個の候補につき、詳細な計算を行った。また、過去に彗星活動があったと仮定した上でダスト・トレイル理論(彗星から流星体が近日点通過毎に放出され、それらがそれぞれの塵の流れ、すなわちダスト・トレイルを形成するという理論)を適用し、地球への流星群の活動の強弱を理論計算し、その結果を実際の観測や過去の流星群の出現に関する観測記録と照合することで、当該天体の過去の彗星活動を探る手段を探った。例として、ボン・ウインネッケ彗星とその関連するボン・ウインネッケ流星群や、2003WY25(ブランペイン彗星)と、その関連流星群であるほうおう座流星群について研究を行い、後者は論文としてまとめている。 初年度に開発した流星の光学観測に用いる、高感度・高時間分解能の光学ビデオカメラ・システムを活用し、引き続きいくつかの流星群の出現について、観測を試みたが、悪天候により昨年度ほどの成果は得られていない。2009年のしし座流星群については、別途、電波観測のデータを用いることで、ダスト・トレイル理論との整合性を調査した。 これらの研究のまとめとして、彗星の活動度と流星群の規模について、ジャコビニ流星雨とジャコビニ・ジンナー彗星を例として、その手法の有効性を確認できた。
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Research Products
(1 results)