2008 Fiscal Year Annual Research Report
巨大天然ガス生成システムとしての沈み込み帯での発生炭化水素量評価と熱履歴
Project/Area Number |
19540481
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
三瓶 良和 Shimane University, 総合理工学部, 教授 (00226086)
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Keywords | 最大古地温 / ビトリナイト反射率 / Tmax / 有機炭素濃度 / 炭化水素ポテンシャル / バイオマーカー |
Research Abstract |
◎白亜系〜新第三系の日本の代表的な付加体(四国南部・長野県南部・静岡県・千葉県房総半島)において,泥岩有機物の濃度・起源,最大古地温および堆積環境等の測定を行った.その結果,有機炭素濃度が最大11%までの泥岩層が確認され,最大古地温は60〜270℃と推定され,100km幅で1000年間に約1ギガトンの炭化水素が発生していることが分かった.この値は,日本で最大の油ガス田である「吉井・東柏崎ガス田」の可採埋蔵量の数倍,世界最大のガワール油田の約10分の1弱の規模に相当する.仮にこの条件を世界全体の付加体30000kmに当てはめるならば,1000年で240ギガトンの炭化水素が生成されることになり,この値は世界の石油究極埋蔵量約2兆バレル(約300ギガトン)に近い.よって付加体が「大規模な長期継続型炭化水素生成システム」として成り立つ可能性が示唆された.◎各地城の結果(基礎データ)は,以下のとおりである.(1)「四国南部」TOC高濃度層は酸化的であり陸源有機物が多かった.最大古地温は190〜240℃を示し西部で高かった.(2)「長野県南部」チューロニアンの間に酸化的な時期が訪れTOC濃度はその直後の層準で最も高い値(1.3〜3.2%)となった.最大古地温は200〜270℃を示した.(3)「静岡県」TOC濃度は瀬戸川層群の東部(0.1-0.4%)で低く,西部(0.6-0.9%)で高かった.最大古地温は東部で平均227℃,西部で平均135℃となった.(4)「千葉県房総半島」付加体のTOC濃度は古第三系で低く(平均0.16%)植物プランクトンの割合が高かった.新第三系(平均0.27%)では陸上植物の割合が高かった.最大古地温は,古第三系付加体で99〜212℃,新第三系付加体で68〜125℃,前弧海盆で57〜81℃を示した.
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Research Products
(3 results)