2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19540524
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷川 隆夫 Tokai University, 総合科学技術研究所, 教授 (70207174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 俊二郎 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10134446)
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Keywords | 低域混成波 / キャビトン / ヘリコン・プラズマ / スペース・プラズマ / イオン加速 / 非線形プラズマ波動 / プラズマ波動現象 / モード変換 |
Research Abstract |
1.密度キャビティ内に局在する大振幅低域混成波、“低域混成波キャビトン(LHキャビトン)"、を制御された形で生成し、その性質、特にプラズマ粒子加速との関係、を調べることが本研究の目的である。LHキャビトンはスペース・プラズマ中に頻繁に発現するが、発生メカニズム等殆ど不明である。 2.東海ヘリコン装置(THD)内に生成されたプラズマ中にLHキャビトンを自発的に生成させることに成功した。分割型多ループ・アンテナ(チャンバー端に設置)を用いてLH周波数域の短い(約20周期)rfパルスをプラズマ中に入射し、径方向密度分布の非一様性を利用して共鳴層に大振幅LH波を励起できる。これが密度の窪みを生成し、LHキャビトンへと発展する。 3.THD内には中心部分が低密度のホロー状密度分布を持つプラズマを生成できる。上記アンテナでrfパルスを入射すると、この密度キャビティ内に捕捉され定在波化したLH波が励起された。項目2と合わせると、LHキャビトンの基本的な生成過程、固有モードの存在が実験的に検証されたことになる。 4.項目2のLHキャビトンの発生に伴い、チャンバー壁近くに設置されたエネルギー・アナライザーがイオンのクロス・フィールド加速と解釈できる高速イオン成分を検出した。同時に、電子が磁力線方向に加速された兆候も検出された。検証実験を続行中である。 5.宇宙航空研究開発機構の大容量-高密度ヘリコン・プラズマ装置に可動終端電極を設置し、実効的プラズマ長を可変にした。プラズマ長、密度等に依存する定在波的な軸方向固有モードを持つヘリコン波が励起されることを見出した。この現象を利用すると、外部パラメータの調節によりプラズマ密度分布を精度よく制御できる。これとヘリコン波自体のモード変換によるLH波への遷移現象を利用することで、LHキャビトン固有モードの高精度検証実験への新たな道が開けた。
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