2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 岳彦 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (90242099)
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Keywords | 密度汎関数法 / ベンゼン酸化 / ゼオライト / TAP / レニウム / バイオガス / 合成ガス / 表面設計 |
Research Abstract |
活性な表面を設計するためには、密度汎関数法により、触媒の電子状態、反応分子との相互作用、反応の遷移状態を調べる事が有効である。我々は、HZSM-5中にCVDにより固定化したReクラスターが、窒素処理をすることで、ベンゼンからフェノールの生成が高選択的・高活性で進行することを見いだしている。Reクラスターの構造、電子状態を検討した結果、Re10核で窒素原子がオクタヘドラルの中心に位置し、2個のオクタヘドラルが辺共有している状態が安定であり、EXAFSの結果を再現できること、そして、ゼオライト骨格構造への固定化状態の計算も可能であり、また、ベンゼン、酸素分子の吸着、ベンゼンの酸化によりフェノールが生成する過程を遷移状態まで含めてエネルギープロファイルを求め、このクラスターが実際に、フェノール生成に有利であることを明らかにした。窒素原子は、Reとの電子を共有することで、クラスターの電荷を調節し、安定化を図っていること、Re10核のクラスターにより、酸素分子、ベンゼン分子が吸着でき、酸素分子の解離、ベンゼンへの酸素原子の攻撃、フェノール生成が可能なアンサンブルを提供していることが明らかとなった また、シリカ担持ニッケル触媒のバイオガスから合成ガスへの変換過程を改良したTAP装置により測定し、触媒への吸着、拡散、生成物の脱離過程の過渡的応答を測定することができた。以上の取り組みにより、活性な触媒への設計指針を得るための研究、触媒活性を評価するための研究を遂行した。
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