2007 Fiscal Year Annual Research Report
温度応答性高分子ミセルまたは星型ポリマーによる金ナノ微粒子触媒の創製および再利用
Project/Area Number |
19550123
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金岡 鍾局 Osaka University, 理学研究科, 准教授 (10275167)
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Keywords | 金ナノ微粒子 / 温度応答性 / 星型ポリマー / リビング重合 / カチオン重合 / アルコール酸化 / ビニルエーテル / ミセル |
Research Abstract |
エステルや環状エーテルなどの添加塩基存在下、ハロゲン化金属(EtAlCl_2,SnCl_4など)とビニルエーテル(VE)のプロトン酸付加体(カチオン源)を組み合わせたリビング重合開始剤系により、オキシエチレン側鎖VEセグメントを有する、ブロックコポリマーおよび星型ポリマーを合成した。ブロックコポリマーの疎水性セグメントに,アルキル側鎖またはフェニル基を導入した。また、星型ポリマーは,リビングポリマーに疎水性二官能性VEを添加する方法により合成した。得られたポリマーの水溶液に塩化金酸水溶液を混合し、一定速度で激しく撹拌しながら、0℃で水素化ホウ素ナトリウムを添加して金ナノ微粒を調製した。得られた金ナノ微粒子のサイズおよびサイズ分布を透過型電子顕微鏡(TEM)により解析した。ブロックコポリマー、星型ポリマー、いずれの場合も3〜4nmで大きさの揃った金ナノ微粒子が生成した。しかし、微粒子の安定性は異なっており、星型ポリマー担持微粒子が非常に安定で、長期にわたって自発的な凝集が起こらないことを確認した。また、ポリマーに対して金イオン濃度が増加すると、生成する微粒子サイズが増大した。オキシエチレンVEポリマーは温度応答性を有しており、得られた星型ポリマー担持微粒子も温度を上げると相分離をし、その後、温度を下げると凝集体を生成することなく、再び溶液に戻った。このようにして得られた微粒子は、種々のアルコールの酸化反応の触媒として有効に働き、ポリマーの温度応答性を利用した再利用が可能であることが示された。
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