2007 Fiscal Year Annual Research Report
末端官能性均一ポリエステルおよび均一ブロックポリマーの合成および物性の研究
Project/Area Number |
19550124
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
右手 浩一 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30176713)
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Keywords | 均一ポリマー / ポリエステル / オルトゴナルな保護基 / オリゴマー / 重縮合 / 芳香族ポリエステルデンドリマー |
Research Abstract |
1.末端官能性均一ポリエステルおよび均一ブロックポリマーの基本的合成原料となる、高純度の非対称ジエステル(CH_3)_3CO(CH_2)_2OCOC_6H_5CO_2CH_2C_6H_5(t-Bu-ET-Bz)を収率良く合成する方法を確立し、これを用いた段階的縮合重合によって均一な4量体(t-Bu-(ET)_4-Bz)を得ることができた。オルトゴナルな保護基であるt-Bu基とBz基の選択的脱保護と、それによって得られたアルコールおよびカルボン酸の縮合の手順がほぼ確立できたので、次年度に8量体から16量体、32量体およびそれ以上の均一ポリエステルの合成の目処がたった。具体的な手順は以下のとおり:市販のテレフタル酸塩化物およびエチレングリコールモノt-ブチルエーテルを精製し、ヨウ化2-クロロ-1-メチルピリジニウム(CMPI)を縮合剤とするそれらの縮合反応によってジエステルとモノエステル(t-Bu-ET-H)の混合物を合成した。ジエステルとモノエステルは、溶媒抽出および再結晶によって分離精製できた。t-Bu-ET-Hの一部をベンジル化してt-Bu-ET-Bzが得られ、トリフルオロ酢酸を用いたt-Bu基の脱保護によりH-ET-Bzが得られた。つぎに、CMPI存在下でt-Bu-ET-HとH-ET-Bzを縮合させ、均一な2量体(t-Bu-(ET)_2-Bz)が高収率で得られた。4量体の合成も同様である。 2.t-Bu-ET-Hのt-Bu基を脱保護して得られたH-ET-Hの重縮合を試みたところ、任意の平均重合度を有するポリエチレンテレフタレートが穏和な条件で得られることがわかった。この方法で得られる不均一なポリエステルは、対応する重合度の均一ポリエステルとの比較試料として有用と考えられる。 3.1と同様の反応によって、これまで合成例が報告されていない芳香族ポリエステルデンドリマーの合成をめざした。本年度はその中間生成物である第2世代デンドリマーまでが合成できた。具体的手順は以下のとおり:1,3,5-ベンゼントリカルボン酸1当量とエチレングリコールモノt-ブチルエーテル2当量をCMPI存在下で反応させ、ジエステルとトリエステルの混合物を合成した。溶媒抽出によって両者を分離し、それぞれを再結晶して精製することができた。
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