2008 Fiscal Year Annual Research Report
末端官能性均一ポリエステルおよび均一ブロックポリマーの合成および物性の研究
Project/Area Number |
19550124
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
右手 浩一 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (30176713)
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Keywords | 均一ポリマー / ポリエステル / オリゴマー / 保護基 / ブロック共重合体 / トリブロック共重合体 |
Research Abstract |
1.前年度の研究によって合成および精製の方法を確立した非対称ジエステルt-Bu-ET-Bz((CH3)3CO-(CH2)2OCOC6H5CO2CH2C6H5)を約100g合成した。これを出発原料として,t-Bu基またはBz基の選択的脱保護と,それに続く縮合,および,再結晶による精製を繰り返すことによって2量体,4量体,8量体をそれぞれ収率良く得ることができた。4量体は,融点151.8〜154.3℃の白色固体で,1H NMRスペクトルによる分析では純度99%以上であった。再結晶を繰り返すことで単結晶を単離し,まもなくX線回折法による構造決定ができる予定である。8量体の構造は,HMBC等の2次元NMR測定によって確認できたが,精製が十分でないため現在のところ純度はおよそ90%である。目標であった16量体および32量体の合成は本年度内に達成できなかったが,現在も引き続き検討を行っている。この間,4量体および8量体と,それぞれの選択的脱保護体について,溶解性等の知見が得られた。 2. 2量体の脱ベンジル体t-Bu-(ET)2-Hと,市販のエチレングリコール6量体HO(CH2)6OHを2対1のモル比で反応させて,均一トリブロック共重合体のモデル化合物を収率57%で得た。得られた共重合体は,目的のトリブロック共重合体と副生成物であるジブロック共重合体の91対9(モル比)混合物であることがわかった。この反応に用いる縮合剤としては, EDC(ethyl N,N-dimethylaminopropyl carbodii mide hydrochloride)が適していることがわかった。4量体の脱ベンジル体t-Bu-(ET)4-HとHO(CH2)6OHの反応によるトリブロック共重合体の合成も試みた。組成生物はトリブロック:ジブロック87対13の混合物であったが,塩化メチレンとヘキサンを用いた再結晶により,一般の低分子化合物と同様にほぼ純粋なトリブロック共重合体(融点141.7〜145.5℃)を単離することに成功した。
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Research Products
(1 results)