2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550135
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
石田 尚行 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (00232306)
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Keywords | 分子性磁性体 / 集積型金属錯体 / 超分子科学 / 単分子磁石 / 磁性電導体 / ホストゲスト錯体 / 液晶 / スピンクロスオーバー |
Research Abstract |
電導性、磁性、光特性を複合的に兼ね備えた物質群は、スイッチ、メモリー、演算素子、表示材料などさまざまな分野で活躍すると考えられる。分子性物質が、その多様性、加工性、軽量性、柔軟性など従前の無機物質にない特性をもつことから、分子性磁性材料開発においては従来の無機材料とは異なる方向性を目指すべきである。本研究では具体的にはハイブリッド分子性磁性体を中心に複合機能の開発を進めた。 1. 機能性低次元磁石:ラジカル-コバルト系単一次元鎖磁石から世界最高の保磁力(52 kOe)を有する磁性材料を開発した。これのμSR測定を行い、バルク転移が起こることと、その転移温度を明らかにした。 2. ラジカル金属ハイブリッド磁性体:室温並みの強さをもつカップリングを与える、ラジカル直接配位の基底高スピン種を構築した。構造と磁気カップリングの相関に単純な関係式を提案した。 3. 単分子磁石・単鎖磁石:いくつかの4f-3d系単分子磁石を合成開発し、高周波ESRを用いて4f-3d間交換相互作用を決定した。重希土類と銅イオンとの間の交換相互作用に周期表上の単純な関係を見いだした。 4. 分子包接誘起磁性体、磁気検出型イオンセンサー:ポリエーテル架橋をもつビラジカルを分子ピンセットとして用いた。特定のイオンの検出に使えるかどうかを検討した。 5. 液晶性磁石・可溶化磁石:長鎖アルキル基を有する鉄(II)錯体を合成し、これらが中間相転移を有するスピンクロスオーバー転移物質であることを明らかにした。類似の系から、光誘起励起スピン状態捕捉を示す系も開発した。 6. 分子グリッド:銅イオンと単純なピラゾール架橋配位子から環状四核錯体を得た。直鎖構造との作り分けに成功した。
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Research Products
(31 results)