2007 Fiscal Year Annual Research Report
微視的ネマチック秩序を持つ光学的等方相の構築とそれを用いた表示材料の研究
Project/Area Number |
19550175
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
吉澤 篤 Hirosaki University, 大学院・理工学研究科, 教授 (30322928)
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Keywords | 液晶 / ブルー相 / ネマチック相 / キュービック相 / キラリティー / 電気光学効果 |
Research Abstract |
1.ブルー相の安定化とそれを用いた電気光学効果 ビナフチル基に2つの液晶形成基をつけた化合物を合成し、これが二種類のらせん構造を誘起することを明らかにした。理論的に二軸性ヘリックスがブルー相を安定化することが知られており、ブルー相安定化のための新しい手法になると考えている。T型ホスト液晶を設計し、キラル化合物と組み合わせることでブルー相が誘起された。誘起されたブルー相で電界印可でスイッチングすることを確かめた。実用的なブルー相組成物を作製する指針が得られた。 2.ネマチック秩序をもつキュービック相 シアノビフェニル基を液晶形成基とする二量体化合物にスルホン酸基を導入した新規イオン性液晶化合物を設計・合成した。この化合物と既存のネマチック液晶との混合物がネマチック相の高温側に光学的等方相を発現した。また、ネマチックー光学的等方相の相転移エンタルピーは検出されなかった。現時点ではこの光学的等方相がミセル構造をもつキュービック相で、ネマチック相類似の短距離秩序を持つと考えられる。 3.含フッ素液晶化合物によるラメラーラメラ相転移 新規な6つのシアノビフェニル基を炭化フッ素鎖でつないだ新規ダンベル型化合物を合成し、その化合物がコンフォメーション変化に基づくラメラーラメラ相転移を発現することを明らかにした。両親媒性液晶化合物の新しい展開につながると考えている。
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