2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19550211
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
池原 飛之 Kanagawa University, 工学部, 准教授 (90242015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 利介 神奈川大学, 工学部, 特別助手 (20514425)
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Keywords | 相互侵入球晶 / poly(butylene succinate) / poly(ethylene oxide) / poly(ethylene succinate) / ポリマーブレンド / 結晶化 / ブロック共重合体 / 球晶境界 |
Research Abstract |
昨年度行ったpoly(ethylene succinate)/poly(ethylene oxide)(PES/PEO)ブレンドにおける融液中の球晶成長速度の解析結果では、PESラメラ晶表面自由エネルギーのブレンド組成依存性を示した。今年度はこの結果を基に、別のブレンド系poly(butylene succinate)/PEO (PBSU/PEO)系やpolycaprolactone/poly(vinyl butyral)系などで同様の解析を行った。その結果、結晶化する成分のガラス転移点(Tg)よりも低いTgを持つ成分をブレンドした場合と、高いTgを持つ成分をブレンドした場合では、ラメラ晶表面自由エネルギーのブレンド組成依存性が逆になることが分かった。この原因はまだ明らかではないが、その追及を含めて今後も検討する予定である。またPESとPEOのブロック共重合体を作製しその結晶化挙動を解析することも継続して行った。昨年度までは光学顕微鏡による解析のみを行っていたため、少量の試料で十分であったが、本年度は小角X線散乱(SAXS)によりラメラ構造解析を行うため、スケールアップしての試料作成方法を検討した。両成分が結晶化している室温とPESのみが結晶化している約70℃での結果を比較したところ、PEOの結晶化はラメラ晶積層構造を乱していることが明らかになった。また、昨年度よりブロック間結合が光で切断可能なプロック共重合体の作製を検討している。ブロック間結合にアントラセンの二量体を用いる方法に加え、本年度からはアセタール結合を用いたブロック共重合体の作製にも取りかかった。poly(butylene succinate)(PBSU)のラメラ成長方向、消光リング、球晶境界、結晶化温度などがPEOの球晶成長に与える影響についての研究も行った。PEO球晶がPBSU球晶内で核生成し成長する場合において、PEOラメラはPBSUの重量分率が5%程度と少ない場合でも、上記の因子はPEOの成長に影響することが明らかになった。
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Research Products
(4 results)