2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスタック超伝導接合系における集団電荷励起の研究
Project/Area Number |
19560011
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
北野 晴久 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 准教授 (00313164)
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Keywords | 超伝導材料・素子 / ナノ材料 / 量子コンピュータ / 高温超伝導 / ジョセフソン効果 |
Research Abstract |
Bi系の高温超伝導体単結晶を作製し、集束化イオンビーム装置を用いた微小ナノスタック構造の作製に着手した。液体ヘリウム温度で電流-電圧特性を測定し、加工したナノスタック構造が固有ジョセフソン効果を示すことを確認した。さらに、電流-電圧特性に見られるゼロ電圧状態から有限電圧状態へのスイッチング電流確率分布の測定から巨視的量子トンネル状態を観測し、マイクロ波照射実験によって離散化した量子準位形成の観測に成功した。次に、固有ジョセフソン接合におけるジョセフソンプラズマ共鳴(JPR)の観測に向けてボロメーター法によるマイクロ波吸収装置を設計し、電磁界解析シミュレーターを用いて、金属探針によってマイクロ波電場が局所的に集中する効果を検証した。また、デジタル・ロックインアンプを購入して測定系を構築した。現在、低温下でマイクロ波吸収測定を行うための実験装置を作製中である。 固有ジョセフソン接合における接合間の相互作用の強さを物質パラメーターの違いから調べることを目的に、Bi系以外のLa系高温超伝導薄膜を集束化イオンビームで微細加工する試みも行い、パルスレーザー法で作られる薄膜試料では粒径サイズに制限されるため、Bi系で観測されるような電流-電圧特性が得られないことを実験的に検証した。現在、粒径サイズに制限されない単結晶試料を用いた実験を行うため、単結晶試料の微細加工に着手した。 次年度は、マイクロ波吸収実験を行うと共に、Bi系とLa系の両方でナノスタック構造を作製し、ジョセフソン接合間の相互作用の強さを評価していく予定である。
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Research Products
(5 results)