2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560018
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
坪井 泰住 Kyoto Sangyo University, コンピュータ理工学部, 教授 (70065861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 正幸 京都産業大学, 理学部, 教授 (80207175)
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Keywords | 有機EL / 燐光分子 / 有機EL素子評価 / 多波長発光分子 / 白色有機EL素子 / 有機EL照明 / 有機ELテレビ |
Research Abstract |
有機EL素子からの白色発光化には、赤,緑,青それぞれの色を発光する分子を3種類ホストにドープし3色光を一つの発光層から出す単一発光層方式が採用されている。この方式では、多種類の材料が必要であり、素子稼動中に起る色変化や相分離による劣化、異なる発光材料の間での劣化速度の違い、などが生じ不安定な素子となる。大量生産には、製造コストの低下と製造の簡便さが必要である。そのためには、1種類の発光材料を用いて白色発光させることが望ましい。 それに適う方法として、1.複合配位子の利用、2.蛍光材料の燐光の利用、に取り組み、材料の探索や、白色化を可能にする条件および理論的根拠を探る研究を行った。新規白色EL用ホスト材料の開発も行った。 1.に関しては、複合配位子をもつ材料での異なる配位子からの緑色と赤色の2色発光を、Ir(ppy)_2Q分子から得た。2色発光が可能になったのはppy配位子面とキノリンQ配位子面とがほぼ直角であるためppy準位からQ準位へのエネルギー伝達が抑制されたためであることが、TDDFT計算から判明した。複合配位子分子から多色発光を得る条件を、実験と理論から明らかにした。溶液中では安定した発光を得たが、有機EL素子にした場合、赤色が強い発光となった。これは、素子内での薄膜状態では、分子間でのエネルギー移動が起ったためと結論し、分子間の間隔を広げることによりそれを避けることができるとの提案を行った。 2.に関しては、蛍光体のゼロに近い燐光強度を、燐光材料をホストにしてその三重項準位からのエネルギー伝達を利用し、蛍光体からの蛍光と同程度の強度の燐光を発光させた。例えば、Bebq_2やAlq_3の蛍光体のIr(ppy)_3燐光体による増感から、緑色蛍光と赤色燐光とからなる多色発光スペクトルを得た。この方法の応用により、白色発光が可能であることを示した。
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Research Products
(5 results)