2008 Fiscal Year Annual Research Report
Fe-Si系半導体/強磁性体へテロ構造における強磁性層間結合への圧力効果
Project/Area Number |
19560019
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 薫 Fukuoka Institute of Technology, 工学部, 講師 (90236464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 剛司 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (70297761)
梶原 寿了 福岡工業大学, 工学部, 教授 (00185779)
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Keywords | スピントロニクス / 超格子 / 鉄シリサイド / ヘテロ構造 / 量子井戸 / 圧力効果 |
Research Abstract |
巨大磁気抵抗の発見以来、スピン依存散乱を利用したデバイスの開発が進んでいる。強磁性層間のスイッチングは磁場のみで行なわれており光照射、スピン電流注入の試みはあるが、圧力による試みはない。今日までFe_3Si/FeSi_2超格子を作製し非磁性層に半導体FeSi2を使用し、半導体層の厚みに依存して強磁性、反強磁性結合が実現されていることを確認した。また良質の量子井戸層が形成され、磁気層間結合が強いこともわかった。さらに強磁性層は半導体層を通り越してエピタキシャル成長していることも明らかになった。半導体は原子間距離の変化によって、物性が劇的に変化するので、圧力を印加することによって電子状態に変化をもたらす。層間結合の強磁性結合、反強磁性結合のスイッチングは半導体層の電子状態に対して極めて敏感であるので半導体/強磁性体超格子に対して層間結合に及ぼす圧力効果を探索する。室温で圧力印加による電気抵抗の変化を調べた。試料は20層の半導体/強磁性体人工格子積層膜を対向ターゲットスパッタ法で作製したものを、圧力印加時に4端子法で面内方向の抵抗を測定した。抵抗の低下が予想されるのは磁気抵抗比の減少が実験で確認されている反強磁性結合の積層膜であるから、反強磁性結合している試料について測定した。圧力の印加とともに抵抗は減少した。強磁性結合膜と反強磁性結合膜との間には明らかに抵抗の変化において違いがあり、反強磁性膜の方が抵抗の変化率が大きい。また、量子井戸構造の電子状態を反映していると推測される、抵抗変化にとびが観測された。これが本質的なものか、更に詳細な実験が必要である。
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Research Products
(8 results)