2007 Fiscal Year Annual Research Report
アイドラ光の最適制御による光パラメトリックチャープパルス増幅の安定化と超広帯域化
Project/Area Number |
19560033
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
張本 鉄雄 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (80273035)
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Keywords | 超高出力レーザー / 非線形光学効果 / チャープパルス増幅 / 光パラメトリック増幅 / 超広帯域化 / 出力安定化 |
Research Abstract |
本研究ではアイドラ光の最適化制御による光パラメトリックチャープパルス増幅の超広帯域化と安定化の新しい方式を提案し,ペタワット(1PW=10^<15>W)・サイクル(数フェムト秒)パルスレーザー光の発生を目的とする.本研究は,光パラメトリックチャープパルス増幅を複数個縦続接続して多段構造とすることでアイドラ光の最適化制御方式を提案し,アイドラ光,非線形光学結晶の枚数及びその厚さを最適化することによって増幅後の信号光の安定化と超広帯域化を図る. 本研究では被増幅シードの位相シフトと位相不整合ファクターとの相関性について数値計算及び近似解析による検証を行い,位相不整合ファクターを調整することで位相シフト及び圧縮効率の任意制御が可能である点を確認した.また,位相シフトが被圧縮分布に対して与える影響が大きなものであり,位相整合角度並びに光波斜入射角度の最適化にあたり充分にその影響を踏まえるべきであるとの結論に至った.更には,光パラメトリックチャープパルス増幅における位相シフトの小信号近似解が高精度を保証し,最適化の指標として有用である点も確認した. 一方,本研究では高強度励起による広帯域ピコ秒Yb系固体レーザーの光パラメトリックチャープパルス増幅の数値解析を行った.高強度による3次の非線形光学効果を含めた数値解析結果から,type I BBO結晶で100・GW/cm^2の励起光を用いた増幅により2GW/cm^2の増幅の1.84倍まで利得バンド幅が広がったことが明らかになった.更に,高強度励起により位相不整合や群速度不整合,ウォークオフ角を効果的に補償できることもわかった.これらの数値結果は日本原子力研究開発機構との共同研究で実施した実験より得られた結果と一致することも明らかになった.
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Research Products
(11 results)