2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560096
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岡田 裕 Kagoshima University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50281738)
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Keywords | き裂進展 / 破壊力学 / 塑性変形 / マルチスケール解析 / 繰返し荷重サイクル / 有限要素法 |
Research Abstract |
○研究の目的と意義:エネルギー機器,航空機,船舶,橋梁等様々な構造の構造健全性評価において,破壊力学と有限要素法に基づくき裂進展解析は大変有用なツールである.き裂進展解析により,構造余寿命や構造の載荷能力を知ることができる.ところが,金属材料で構成される構造のき裂進展現象において,き裂の先端近傍で塑性変形が発生することが多い.そのため,き裂進展解析を精密に行おうとすると,一荷重サイクルを数増分ステップに分け,さらに,数千〜数十万回にわたる繰返し荷重サイクルに対する弾塑性解析を行う必要が生じる. このような解析は,計算コストの面から現実的には不可能である.そこで,時系列マルチスケール解析手法により,弾塑性疲労き裂進展解析を精度良く,かつ現実的な計算コストで可能にすることが本研究の目的である. 研究計画に従い,平成19年度は以下の成果を挙げることができた. ○時系列マルチスケール解析の定式化:"遅い時間スケール"と"速い時間スケール"に関する境界値問題の定式化と応力やひずみ履歴パラメータの時間積分法に関する定式化を行う.その際,二つの異なる時間スケールを持つ境界値問題の連成に注意を払い,非線形有限要素法プログラムへ実装可能な定式化を実現した. ○有限要素法解析プログラムへの実装:定式化された時系列マルチスケール解析手法を有限要素法プログラムに実装し,例題解析を行った.解析精度にやや難があるので今後も検討を継続する必要がある. ○き裂進展方法の検討:節点解放法の適用検討をした.プログラム実装とき裂進展解析は20年度に行う. ○破壊力学パラメータの計算:破壊力学パラメータ(J積分やT^*積分)の計算アルゴリズムのプログラム実装に関する問題点の検討をした.プログラム実装は20年度に行う.
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