2009 Fiscal Year Annual Research Report
複合荷重下での大規模延性破壊シミュレーションシステムの構築
Project/Area Number |
19560100
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
菊池 正紀 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (90107540)
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Keywords | 機械材料・材料力学 / 金属物性 / 計算機システム / 構造・機能材料 / 破壊力学 |
Research Abstract |
本年度は三ヵ年計画の最終年度であるため、今までの研究成果の取りまとめ、また実際の原子炉構造材料を対象とした破壊尤度評価への応用、開発したソフトの普及活動を中心課題とした。研究成果の取りまとめは、過去2年間に日本機械学会に投稿し、論文集に掲載された論文を英語で書き直して、国際学会誌に投稿した。現在査読中である。また原子炉構造材料を対象とした破壊尤度評価としては、(株)日立製作所との共同研究を発足させ、実機への応用を試みている。本研究で開発したソフトにより、複数き裂の延性破壊問題の破壊解析を行い、き裂間の相互作用の影響を評価し、設計指針との比較を通じて、現在利用されている設計指針の保守性の評価、実験との比較を行った。本ソフトを利用することで、実験をしなくても複数き裂の相互作用を評価することが可能であることが分かった。この成果は日本機械学会による原子力設備の維持規格に反映させる予定である。また本ソフトを普及するために、諏訪東京理科大学、電力中央研究所、日立製作所目立研究所に公開・提供した。これらの研究機関で現在利用を検討中である。また将来の課題として、本研究で用いたボイドモデルでは、薄板のせん断破壊過程を精度良く再現することができないことが明らかとなった。この課題を解決するために、せん断応力によるボイド成長モデルを検討した。これはまだ十分検討がされていないが、現在のソフトの機能をさらに向上させるために、今後も研究を続けてゆく予定である。
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Research Products
(2 results)