2008 Fiscal Year Annual Research Report
単結晶ダイヤモンド工具による鋼類の超精密切削に関する研究
Project/Area Number |
19560114
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柴坂 敏郎 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (80094530)
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Keywords | 超精密切削 / 単結晶ダイヤモンド / フライカット / マイクロ金型 / 工具摩耗 / 表面粗さ / エンドミル / 超高速スピンドル |
Research Abstract |
ダイヤモンド工具による鋼類の超精密切削加工の実用化を目的とし、マイクロ・ダイヤモンド・エンドミルによる超精密マイクロ・ダイヤモンド切削加工法の検討を行った。実用的な金型鋼SUS420J2(HRC40)を対象として、切削面積2x5mmのマイクロ金型を想定し、100,000rpmの超高速スピンドルを使用した。板状のダイヤモンドを利用したエンドミル工具を製作し、工具形状(工具回転半径、逃げ角)、切削油剤使用の有無、摩耗抑制の重要な要因となる1回転毎の接触時間に関係する切削条件の影響について実験検討を行った。 工具回転半径を大きくすると、工具摩耗は大きくなるが、表面粗さは明らかに改善されること、また、工具逃げ角を大きくすることによる工具摩耗への影響については、刃先後退量は大きな変化はなく、表面粗さは顕著に改善されることを明らかにしている。また、切削油剤としてミストの使用では摩耗量は若干改善されるが、表面粗さへの効果はほとんどないことがわかった。工具回転半径2mm、工具逃げ角20°のエンドミル工具で、100nmRzの表面粗さの鏡面が得られた。切削開始時で表面粗さが60nmRz程度であり、加工による逃げ面摩耗量は4μmであり、この摩耗の表面粗さへの影響は40nmRz程度であり、切削開始時で表面粗さが大きな影響を持つことが理解された。工具の振れを検討した結果、振れ幅の変動が60nm程度あることから、加工機の主軸系の精度に大きな課題があると結論付けられた。従って、マイクロ金型を40nmRz程度の表面粗さに仕上げることが可能であると推定された。
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