2007 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性流体中における気泡ダイナミクスの三次元数値解析
Project/Area Number |
19560155
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 光浩 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00281866)
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Keywords | 非ニュートン流 / 粘弾性流体 / 気泡ダイナシクス / 数値解析 |
Research Abstract |
本年度は,粘弾性流体中を上昇する気泡運動ダイナミクスについての検討を行った.三次元解析を実施する前に,二次元解析により,コードの健全性,気泡cusp形状をより細かく正確に捉えるために導入した境界適合格子(AMR)の調整・確認をした.また,粘弾性モデルとして使用したChilcott-Rallison(FENE-CR)モデル・パラメータに依存した気泡ダイナミクスの概略を把握した.これらの検討の後に,三次元解析による粘弾性流体中を上昇する気泡運動ダイナミクス評価を行った.本研究でのMorton数(M)およびEotvos数(Eo)条件は,M=78,Eo=20〜178である.また,密度比(粘弾性流体/気泡)は約850,粘度比(粘弾性流体/気泡)は55000である.本年度の成果として粘弾性流体系特有のcusp形状を有する気泡運動を三次元的に再現することに成功した.小さい気泡から大きい気泡までモデル・パラメータに依存してcusp形状を有した気泡となった.小さい気泡では比較的粘弾性パラメータが小さい場合でもcusp形状を有した気泡になったが,大きい気泡は粘弾性パラメータが小さい場合,粘弾性特性が顕著に現れなかった.大きい気泡では,べース形状(ニュートン流体系)では底部が凹んだ形状をしているため,強い粘弾性パラメータ条件下でないと粘弾性効果が気泡運動に影響を及ばさないことが分かった.また,本計算条件下ではcusp形状は三次元的(非対称的)にならず,また,上昇運動が不連続的変化を示すこともなかった。今後は,他の流体条件,特にMorton数を広範囲に変化させた条件での考察が必要となる.
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Research Products
(3 results)