2008 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性流体中における気泡ダイナミクスの三次元数値解析
Project/Area Number |
19560155
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 光浩 Muroran Institute of Technology, 工学部, 准教授 (00281866)
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Keywords | 非ニュートン流 / 粘弾性流体 / 気泡運動 / 数値解析 |
Research Abstract |
本年度は, 昨年度からの継続である「粘弾性流体中を上昇する気泡運動ダイナミクス」と「粘弾流体系での剪断流による気泡変形・分裂ダイナミクス」について検討を行った. 「気泡上昇運動ダイナミクス」に関しては, 昨年度と同条件で, FENE-CRモデル・パラメータの影響をより広範囲に渡り調べた. 緩和係数λ(Deborah数)およびダンベル間の伸長パラメータLが重要な因子であるが, 両パラメータが同時にある大きさの値を有しない限り, 粘弾性効果が顕著に発現しないことが分かった. また, 具体的にその物理条件(しきい値)を示した. 小さい気泡(形状変形が小)では, λとLの値が比較的小さい値から, 粘弾性効果が顕著になった. 大きい気泡(形状変形が大)では, λとLの値が大きくないと, 粘弾性効果は現れなかった. また, 密度比の影響を調べるために, 同物理条件下で密度比=0.90(液滴運動)とした計算も行った. 液滴の方が, 気泡よりも粘弾性効果をより大きく受けることを明白にした. 大きなλとLの場合, 液滴底部でのcusp部は非常に大きく伸長し, 分裂した. 「気泡変形・分裂ダイナミクス」では, 既報のニュートン流体系での解析条件をべースとして, 粘弾性効果の影響を調べた. まだ, 全ての解析を終了していないが, 粘弾性パラメータλとLの値に依存して, ニュートン流体系のダイナミクスとは大きく異なった. 剪断方向に沿って気泡/液滴の先端付近で粘弾性応力が強く作用し, この影響で, 気泡変形・分裂ダイナミクスがニュートン流体系と異なることとなるが分かった. 今後も継続して系統的にその影響を調べる.
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Research Products
(3 results)