2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスケールの外乱に対する乱流輸送特性および散逸構造の応答
Project/Area Number |
19560168
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 俊幸 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (70162154)
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Keywords | 乱流 / 大規模直接数値計算 / マイクロバブル / 渦粘性 / くりこみ / エネルギー散逸 / 特異性 |
Research Abstract |
乱流のコルモゴロフ長さ程度のスケールをもつマイクロバブルなどの微小な添加物、あるいは散逸領域に挿入された切断波数よりも高い波数成分(SGS成分)による影響をマイクロスケールでの外乱とみなし、それらによる乱流の散逸構造、慣性領域での輸送特性の変化および空間次元による切断波数の影響を、大規模直接数値計算(DNS)を駆使して調べた。 レイノルズ数を一定にした大規模スカラー乱流のDNSを実行し、散逸領域におかれた切断波数を変化させたときのSGS成分の影響を外乱とみなして疑似的な粘性項とランダムカへの分解(ランジュバンモデル)を行い、そのスペクトルや時間相関関数を解析した。さらに非線形項とSGS成分との相関を解析した。これにより渦粘性、非線形項へのくりこみが切断波数近傍で無視できない大きさであることがわかった。 乱流の最小渦よりも小さいマイクロバブルと渦との相互作用を2相系の格子ボルツマン法を用いて解析した。ランキン渦、テイラーグリーン渦の近傍に複数のマイクロバブルを置き、その後の全運動エネルギー、エネルギー散逸などの時間発展を計算した。マイクロバブルは渦周辺から渦中心に集まる傾向があり、その際にエネルギー散逸が一時的に大きくなることが見出された。またこの変化は界面張力が大きいほど顕著であることがわかった。 空間次元の変化(d=2,3,4)とともにどのように場の特異性が変化するかをDNSにより解析した。特異構造の衝突という観点からエネルギー散逸のおこる必要条件を導いた。これはDNSによる結果とつじつまが合っていることが示された。散逸構造を可視化し、4次元では3次元の特異構造をそのまま4次元方向にコルモゴロフ長さ程度掃引して得られる幾何学をしていることがわかった。これらの知見をもとに切断波数より高波数成分の影響の空間次元依存性を解析した。
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