2008 Fiscal Year Annual Research Report
外乱切り分け推定に基づいた電動自転車の安定化支援制御
Project/Area Number |
19560300
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村上 俊之 Keio University, 理工学部, 教授 (00255598)
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Keywords | 電動自転車 / 路面摩擦係数 / スリップ率 / ステアリング制御 / 重心制御 / 駆動力オブザーバ / スライディングモード制御 / パワーアシスト制御 |
Research Abstract |
本研究課題では,外乱切り分けアルゴリズムを利用した自転車の走行路面状態の推定アルゴリズムに関する検証を行い,路面状態の変動を表す変動パラメータの推定アルゴリズムを確立した.電動自転車の実験装置制約により,直接的な実機検証はできなかったが,アルゴリズムの有用性に関してはハンドルへの人の入力トルクを検出するアルゴリズムへ適用し,ある程度人のトルク入力が検出可能であることを確認した.ただし,摩擦力の不定性により期待したほどの結果は得られなかった. 一方,マン・マシンシンセシス制御に関連する安定化制御については,加速度制御に基づいた従来のステアリングハンドル制御を発展させ,人の操作による非線形効果をより適切に補償するために,バックステッピングに基づいたステアリングハンドル制御を構築した.この手法の有効性に関しては電動自転車の実機実験により検証しており,その成果の一部は精密工学会誌にも掲載されている.また,加速度制御系とスライディングモード制御を組み合わせることで,走行速度が低い領域でもより安定した電動自転車の走行制御を行うことができることも実機実験により検証した.この実験結果に関してはIEEE IES論文誌への掲載が決定している. 本研究課題ではステアリングハンドル制御を主体に研究を進めたが,パワーアシスト制御を目的とした駆動制御へも外乱切り分け推定アルゴリズムを適用し,その有効性を電動自転車による実機実験により検証を行った.パワーアシスト制御に関しては,当初の計画には含まれていなかったが,今回の外乱切り分けアルゴリズムを応用可能であることが明確となり,路面状態変化に依存しないパワーアシストが実現できることを実験により確認している。
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Research Products
(4 results)