2008 Fiscal Year Annual Research Report
パルス熱磁気駆動を用いた機能性インク吐出機構の研究
Project/Area Number |
19560343
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
越本 泰弘 Wakayama University, システム工学部, 教授 (60314556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 修 山形大学, 理工学研究科, 教授 (80282234)
三輪 昌史 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (40283957)
幹 浩文 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20403363)
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Keywords | 磁性流体 / 熱磁気効果 / マイクロトレンチ / 磁気応力 / 顕微飛翔観測法 |
Research Abstract |
前年度、マイクロ間のメータを用いて実験した発生力の結果では、シミュレーションより想定される値48Kpaを大きく上回る実験値を得た。その原因として、磁極角部の形状による磁束集中の影響と流路チャネルのマイクロ化に起因する粘性抵抗の影響に絞って実験的な追及を行った。その結果、本研究では比較的粒径の大きな磁性粒子を用いることから、流路幅が10μm以下では磁性流体の粘度が高くなつていること、角部での磁束集中で磁性粒子の凝集が生じて血管中の血栓のごとく粘度の高い磁性流体の対流が生じることが明らかになった。これを解決するため、懸濁粒子の微細化と分散材の最適化を進めている。 インクヘッドは、前年度に求めだ磁束絞り形状の角部に非磁性材を配置して角部べめ磁束集中を軽減した磁極形状を設計し、チャネル幅(10μm)に対応したフォトマスクを作成した。形状については特許出願した。 実験用の加熱機構に集光加熱を選択し、実験装置を試作した。集光レンズに無限系の長焦点対物レンズを用い、in situでの実験観測を行うため、落射光学系の中の従来のハーフミラーに代えてレンズ光軸中心部を集光用に、外周部を反射観測用に用いる同軸光学系を設評した。観測にはTVカメラを用いて観測時の安全を確保し、パルス同期による加熱観測を行うこととした。光源には最高0.2WのLDを用い、パルス幅1μから1ms、スポット径(1/e)12μmを確保した。 実験からは目的とする連続吐出の確認には至っていないが、パルス加熱により磁性流体の液滴吐出は確認できている。連続吐出のためにはチャネル内での磁性流体の流動が不可欠であり、今後、実験条件の最適化、液体の粘度、特に分散材の最適化により改善して行く見込みである。
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Research Products
(2 results)