2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルス熱磁気駆動を用いた機能性インク吐出機構の研究
Project/Area Number |
19560343
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
越本 泰弘 Wakayama University, システム工学部, 教授 (60314556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 修 山形大学, 理工学研究科, 教授 (80282234)
三輪 昌史 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (40283957)
幹 浩文 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20403363)
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Keywords | 熱磁気効果 / 磁気応力 / 磁性流体 / 粘性抵抗 / マイクロトレンチ |
Research Abstract |
前年度に試作した10μm幅、長さ200μmのチャネルと新設計の落射照明系集光加熱機構を用いたインク輸送実験を進めた。高NA対物レンズと同軸反射ミラーを用いた結果、光学系への200mWレーザー入力に対し、スポット径12μm、出力130mWと、透過率65%を実現できた。 この実験系で熱磁気駆動を行ったが、想定していた連続吐出は行えず、最初の1滴のみが移動する結果になった。実験後、チャネルを顕微鏡で観察した結果、インクの移動が遅く、加熱部へのインクの注挿に時間がかかっている結果であった。 永久磁石を用いた保持力はマノメータ法で約70MPaと、磁極形状の改善前と同様に解析値(48MPa)を大幅に上回った。この理由を確認するため、非磁性材料(ガラス)で作ったチャネルで同様に圧力測定をした結果、磁気保持をしないにもかかわらず25MPaの差圧が測定された。そこで、流体を油性磁性インク(2×10^<-2>PaS)から年度の低い純水(10^<-3>Pa.S)に変更して実験した結果、粘度を低減しても差圧が低減せず、液体の表面張力によるメニスカス効果によりチャネル内の流動が制限されていると判断できた。 現象を解析した結果、磁気圧力を発生させるために長い(200μm)平行チャネルを形成したため、流路抵抗が大きくなったことが原因であると判断し、チャネル長さを20μmとしたサンプルではマノメータ実験で約30MPAと、解析値25MPaに近い値となった。 熱磁気駆動した結果、この圧力ではインクは飛ばず、液体がチャネルロから垂れ出る結果となり、磁力のさらなる向上と粘度の低い磁性インクの開発が今後の課題であることを明らかとした。
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Research Products
(3 results)