2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19560372
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
韓 太舜 Waseda University, 理工学術院, 教授 (80097287)
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Keywords | 情報スペクトル / 乱数生成 / ユニバーサル符号化 / ネットワーク符号化 / 大偏差確率 |
Research Abstract |
●「逐次検定問題」に関する各種資料は、昨年度には、そのうちの最も基本的ないくつかの文献を収集することができていたが、今年度は、さらに広範に新資料を収拾することができた。本年度は、これらの基礎にある「確率の大偏差的挙動」に関する研究を勢力的に行い、IEICEの英文誌に論文として発表した。 ●平成20年度には、「情報スペクトル的安全性」に基づいた暗号問題に関する新たな研究がIEEE ISIT(IEEE Internal Symposium on Information Theorey)などに発表された。これで、暗号問題の「情報スペクトル的アプローチ」に対する具体的な方向が見え始めた。これらとnetwork coding問題との関係について考察を進め、国際学会の招待講演として発表した。これは、従来別々に扱われていた、相関を有する多数の情報源を1つの目的地までnetworkを通じて送る問題と出発値は1つだけれど目的地が多数の場合にnetworkを通じて送る問題(いわゆる、multicast問題)の両者を統一したものである。 ●ユニバーサルな乱数生成algorithm問題の研究に際しては、昨年度に、定常無記憶情報源に対するPerezのalgorithmをマルコフ過程に対するものにも適用可能なalgorithmに拡張したが、この方向をさらに進めると、乱数生成の精度と効率をあげればあげるほど、乱数としての性能がある意味で劣化するという矛盾の生じることが分かった。次年度は、このような問題の解明に努力する。
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