2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しい原理に基づく光線空間情報リアルタイム取得装置の研究
Project/Area Number |
19560375
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤井 俊彰 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30273262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
圓道 知博 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70397470)
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Keywords | 光線空間 / 取得装置 / Radon変換 / 光線制御光学系 / 2次元イメージャ / リアルタイム信号処理 |
Research Abstract |
本研究では新しい原理に基づく「光線空間カメラ」の研究を行うことを目的としていた.1画素で1本の光線を取得するという従来のカメラの概念にとらわれず,光学系による光線の制御と2次元イメージャの後段の信号処理とを組み合わせることによって原光線情報を復元する新しい光線取得原理を探求することを目指した. まず,1次元の平行カメラ列から取得した光線空間データの断面は直線群からなるという,光線空間の強い構造性を積極的に利用し,直線の方向にデータを重畳して1次元データに射影する方法を検討した.これは光線空間データのRadon変換を行っていることに相当する.原理的には360度の全方向に射影したデータがあれば,信号処理により原光線データが一意に復元できることが知られている.本研究では360度の全方向ではなく,光線空間の直線性の強い領域,すなわちある限定された範囲内の奥行きにある物体の軌跡の部分だけから射影データを取得し,その射影データから周波数領域でのフィルタリング及び逆Radon変換によって,原光線データを復元する手法を確立した.計算機によるシミュレーションにより,最大で1画素あたり10本の光線に相当するデータが得られることを確認し,等価的に1つの画素で複数の光線を取得できる基本的な原理の検証を行い,有効性を確認した. この成果により,光線制御光学系・2次元イメージャ・信号処理装置の全体を一体とした新しい光線情報取得装置の新しい原理の開拓に成功したと言える.今後は上記Radon変換を光学系により行う手法の検討,リアルタイム信号処理部分の構築および,それらを統合して実際の光線取得装置へと組み上げていく予定である.
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