2008 Fiscal Year Annual Research Report
低消費電力センサネットプロトコルの構築と農業支援への応用
Project/Area Number |
19560378
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
上原 秀幸 Toyohashi University of Technology, 工学部, 准教授 (00293754)
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Keywords | 無線センサネットワーク / 低消費電力 / MACプロトコル / ルーチング / クラスタリング / 相関性 / 農業 |
Research Abstract |
省電力な無線センサネットワークプロトコルを開発し,農業支援へ応用することを目的としている.そのために,圃場特有の観測データの空間相関特性を利用して.センサノードをクラスタリングし,ノード間の協調制御で低消費電力を図り,ネットワークライフタイムの向上を目指している.昨年度までに,(1)観測データの相関分布特性に基づくクラスタリングアルゴリズム,(2)ノード間協調によるON-OFFスケジューリング制御を開発し,シミュレーションと実装実験により消費電力の削減効果を確認した.本年度は,(2)の改良として(2-a)実測データから結合エントロピーを解析し,3つの集約モデルを構築した.(2-b)集約モデルに基づき,要求される情報量を満たすクラスタメンバ数を算出し,各ノードの残存電力も考慮したON-OFFスケジューリング制御を開発した.次に,(3)環境の変化に対応してクラスタを再構築するアルゴリズムを開発した.観測データの変化量が予め定義した値以上の場合に環境の大きな変化があったと判断してクラスタを再構成する.この際,変化を的確に捉えられるよう電源がONとなるアクティブノード数の数と配置を,消費電力とカバレッジの観点から導出している.これらを計算機シミュレーションで評価し,消費電力の削減効果を確認した.また,(4)省電力化に加え転送遅延とスケーラビリティを改善するため,明示的な同期信号を用いることなく,擬似的にONとOFFのタイミングの同期をとる疑似同期MACプロトコルを開発した.以上の成果をまとめて7件の学会発表を行った.実装実験による評価とマルチモーダルセンサへの対応が今後の課題である.
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Research Products
(8 results)