2008 Fiscal Year Annual Research Report
実機浮屋根式タンクを考慮したスロッシング挙動の把握とその減衰対策への研究
Project/Area Number |
19560486
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
平野 廣和 Chuo University, 総合政策学部, 教授 (80256023)
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Keywords | スロッシング / 制振装置 / 浮屋根 / 合成ゴム / 長周期地震動 / 貯僧タンク |
Research Abstract |
本研究は、実際に使用されているシングルデッキ型浮屋根式貯槽タンク(秋田県男鹿市の(株)ジャパンエナジー船川事業所内の休止中タンクである直径15.5m,高さ10mの1,600KLインナーフロートタンク)を用いて、浮屋根にスロッシング現象を発生させる一つの実験方法を提案したものである。実規模レベルの浮屋根式貯槽タンクを用いてスロッシング現象を発生させるには、特別な実験方法を考案する必要がある。そこで、本研究では、安価でかつ簡単に実験ができることを目的として、タンク内部に造波装置を設置し、エアージャッキで造波装置駆動させる方法を提案した。この装置をスロッシングの固有振動数で作動させることにより、タンク内部の流体全体を動かすことを行った。これにより浮屋根に振幅20cm以上のスロッシング現象を発生させることができた。 一方、スロッシングを発生させる実験の場合、振幅のみならず起振終了後の浮屋根の減衰定数が地震発生時と相違がないかを把握することが重要である。本研究では、浮屋根の減衰定数が0.37%となり、既往の研究で指摘されている値と妥当な結果を得ることができた。 以上、本研究により実機貯槽タンクでスロッシング現象を発生させることができ、かつ妥当な浮屋根の減衰定数を得ることができたので、シングルデッキ型浮屋根が損傷から破壊に至るまでの挙動の把握やスロッシングの制振方法の開発等に本研究で提案した実験方法が大きく寄与できると考える。
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Research Products
(5 results)