2007 Fiscal Year Annual Research Report
主要輸送機関の変遷からみた環境負荷の小さい都市物流システム構築に関する研究
Project/Area Number |
19560529
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
苦瀬 博仁 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋工学部, 教授 (10186398)
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Keywords | 輸送 / 都市 / 環境負荷 / 物流 / ロジスティクス |
Research Abstract |
本研究の目的の一つに、「歴史的にみた物資供給路の交通結節点と大都市の発展の相互関係を明らかにすること」がある。そこで研究初年度の平成19年度では、第1に都市が成立するためには物資供給路の確保が不可欠であること、第2に物流供給路の結節点に位置した交通交易(物流・商業)都市の発展過程を明らかにするために、現地調査と調査結果の整理をおこなった。 第1の点については、江戸期に廻船航路や河川舟運で発達した都市を調べ、とりわけ関東地方において物資供給路の結節点である港や河岸を中心に都市が発達したことを明らかにしている。 第2の点については、明治以降に発達した鉄道のうち、軌間が狭く馬や蒸気を利用した軽便鉄道に着目した。ここでは軽便鉄道が、石炭や原材料を始めとする産業物資の輸送に利用されたことを明らかにし、特に産業振興のために鉄道がひかれ都市の産業発展と関係のあることを明らかにした。これについては、土木計画学研究発表会で発表した。 次に東北および九州の軽便鉄道に焦点を当て、現地調査をおこない、これらの地方における産業の発展にともなう軽便鉄道の発達と衰退の経過を明らかにするとともに、現在の発展との相互関係を分析中である。 以上のように、江戸期から明治期にかけて輸送交通機関が水上交通(海運・舟運)だけでなく、内陸部での鉄道輸送(一般鉄道・軽便鉄道)が加わることで、都市の産業発展に貢献していったことを明らかにしている。そもそも都市の発達は都市の産業動向に依存しているという考え方が多いが、そのなかにあって物資供給システムの確立が都市の発達に不可欠だったことを示している点で、本研究の意義は大きい。
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Research Products
(4 results)