2007 Fiscal Year Annual Research Report
首都圏から輸送される大気汚染物質が利根川源流域の窒素飽和現象に及ぼす影響解析
Project/Area Number |
19560556
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
青井 透 Gunma National College of Technology, 環境都市工学科, 教授 (90270222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 智規 富山県立大学, 短期大学部・環境システム工学科, 教授 (10249146)
宮里 直樹 群馬工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教 (00435413)
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Keywords | 土木環境システム / 水資源 / 窒素飽和 / ノンポイント汚染 / 利根川 |
Research Abstract |
窒素飽和現象とは、「大気から森林への窒素化合物の沈着量が、森林生態系において必要とされる窒素量を上回る状態」と定義されているが、青井は利根川上流域の降雨及び河川水質調査を実施しており、群馬県内の利根川上流域は既に窒素飽和している可能性が高いと従来から考えていた。 本研究の目的は広域的な窒素飽和現象を証明することであるので、平成19年度に、湯桧曽川に水位センサーを設置し連続測定を開始するとともに、電磁流速計を購入して堰堤上等間隔で水深と流速を測定し、研究分担者の宮里が水位センサーの値から流量を換算する正確なH-Q換算式を求め、ほぼ通年の流量を計測した。もう一つの計測点である碓氷川水系中木川両流域での流量は、安中市水道局から入手した。 各試料の水質分析は、謝金で分析員を雇用し、一般項目および各栄養塩濃度を青井研究室のオートアナライザーで分析した。また研究分担者の富山県立大学川上は、イオンクロマトグラフにより、各陽イオン・陰イオンとアルカリ度を測定するとともに、窒素飽和現象を検討した。宮里は、主に河川流量の計測方法を確立し、窒素流出量を試算し、別途測定した降雨量と降雨中窒素濃度から窒素降下量を計算し、比較検討した。 検討の結果、両測定点での窒素降下量と窒素流出量の比較ができたので、第一回目の学会発表を、土木学会環境工学論文集と環境工学研究フォーラム講演集で実施した。初年度の検討で、概ねの傾向をつかむことができたので、降雨量および河川流量の測定を継続し、正確な窒素降下量と窒素流出量のデータを蓄積して、検討を継続する予定である。
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Research Products
(3 results)