2008 Fiscal Year Annual Research Report
部材靱性の不確定性制御による鉄骨ラーメンの耐震信頼性向上に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19560570
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
井戸田 秀樹 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (10203192)
|
Keywords | 建築構造、材料 / 鋼構造 / 耐震性能 / 塑性変形能力 / 骨組設計法 |
Research Abstract |
本研究の目的は下記の三つの目標からなる. 目標1. 部材靭性の不確定性が鉄骨ラーメンの耐震信頼性に与える影響の把握 目標2. 文献調査と実験に基づく部材耐力および靭性の統計情報の再構築 目標3. 鉄骨ラーメンの効率的な耐震信頼性向上を実現する部材靭性の統計的性質の提示 上記目標1と目標2の文献調査部分については,平成19年度の成果としてすでに達成されている.本年度は,過去にほとんど触れられていない部材耐力間の統計的な相関性について調査・実験に基づいて新たな知見を得ることと,不確定性が少なく,高い信頼性を有する新たな鋼構造梁部材の開発が目標であった. これらの目標に対し,実構造物を対象としたミルシートの追跡調査,および梁端塑性化領域に無補強開口部を有する梁の弾塑性繰り返し実験を行った.ミルシートの追跡調査では,部材耐力の統計的な相関性を評価するときに不可欠なロットマップを作成するとともに,設計段階でロットマップに代わる情報を推測するためのシナリオを提案し,その有効性を確認した.また,無補強開口部を有する実験では,梁端部に設けたウェブ開口部に損傷を集中させることで梁端溶接部での脆性破断を回避し,安定した塑性変形性能を持つ部材の提案に成功した.これらの研究結果を整理することによって,本年度の目標達成に必要な知見を得た.
|
Research Products
(5 results)