2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市部を通過する幹線道路周辺における騒音の予測手法および保全対策に関する研究
Project/Area Number |
19560600
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
岡田 恭明 Meijo University, 理工学部, 准教授 (20367741)
|
Keywords | 環境政策 / 建築環境 / 環境技術 / 都市騒音 / 道路交通騒音 / 騒音予測 / 音響模型実験 / 環境アセスメント |
Research Abstract |
本研究課題は,都市部を通過する幹線道路の両側に連担する建物壁面および道路上部に併設されている高架道路の裏面からの多重反射音の影響によって,周辺の音環境がどの程度悪化するのかに着目し,室内実験および理論計算の両面から定量的に把握することを目的としている。今年度は,昨年度に引き続き,複数車線を有する平面道路の上部に,高さ8mの高架道路が併設されている市街地道路を想定した1/40縮尺の音響模型実験を種々の建物配置条件で行った。また,測定(受音)点は2階のベランダを想定して4.5mとし,自動車交通騒音のA特性スペクトル補正を行うと共に,実験の精度検証(空気の音響吸収の影響)についても考察を加えた。室内模型実験では全46のデータを収集した。その結果,(1)沿道周辺での交通騒音のレベル増加は建物の配置に依存すること,(2)建物が蜜に連担するような場合(道路長に対して8割程度が建物で占められている時)には,壁面および高架裏面からの多重反射の影響により8dB程度増加するが,比較的に疎らな場合(道路長の6割が建物である時)にも4dB程度レベルは増加すること,(3)受音点が高い場合には,地上付近に比べて増加量が大きくなる傾向があり,建物上階ほどその音響現象はより残響的になることなどを明らかにした。さらに,実用面を考慮して既往の研究で提案した理論計算モデルの一部に改良を加えた。改良したモデルによる予測結果と実験結果との対応については全体的には良好であり,理論計算モデルの有用性が確認できた。以上のことから,都市部における沿道周辺の騒音は建物等からの反射音により増大することは明らかであり,社会環境管理を行う上でそれらの影響を考慮する必要がある。また,その予測手法として本研究課題で提案した計算モデルは実用的にも有効に用いることが可能であると示唆された。
|
Research Products
(1 results)