2008 Fiscal Year Annual Research Report
プール排水口事故を防ぐための渦室付排水管の研究開発
Project/Area Number |
19560603
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
吉富 秀樹 Tsuyama National College of Technology, 機械工学科, 教授 (20290786)
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Keywords | 建築環境・設備 / 給排水 / プール / 排水管 / 排水口事故 |
Research Abstract |
本研究は、遊泳用プール等において児童が排水口に身体を吸着されるという事故を未然に防止するため、安全性の高い新排水管として渦室付排水管を研究開発することを目的とする。以前の研究において、渦室直径120[mm]の小型モデルを用いて実験し多くの知見を得たが、これが実機サイズ渦室付排水管にも適用できるかどうかが課題であった。そこで、平成19年度には渦室直径705[mm]の実機サイズ渦室付排水管および実規模試験装置を製作し実規模試験を行い小型モデルと比較した。本年度は、設計コード化の整備を目的として、実規模試験のデータの分析を進めると共に、新たに実機サイズ渦室付排水管の渦室内流れの計測を行った。また、汎用数値解析ソフトウエアを用いて渦室内の流れの数値シミュレーションを行った。その結果、得られた主な成果は以下である。 (1)排水口に吸着されていない通常流れ状態における損失係数をレイノルズ数に対して整理した。レイノルズ数が4.5×10^4〜1.7×10^5の範囲で、損失係数は1.6〜2.5の値であった。 (2)渦室内の流速分布および圧力分布から分析すると、渦室内の流れは外周部が自由渦、中心付近が強制渦の組合せ渦であることが確認できた。また、自由渦と強制渦の境界半径は、渦室半径の35%付近であることが分かった。これらの知見から、理論モデルによる特性計算法のパラメータ設定が可能となった。 (3)数値シミュレーションによって、渦室内流れの詳細構造が明らかになった。特に、排水口に吸着されていない通常流れ状態において、渦室から軸ノズルに至る流路において流れが剥離して損失を増大させており、形状最適化の必要性が判明した。
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Research Products
(3 results)