2007 Fiscal Year Annual Research Report
無加圧焼結可能な金属無添加の炭化タングステン基超硬セラミックスの開発
Project/Area Number |
19560719
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
泰松 斉 Akita University, 工学資源学部, 教授 (60125721)
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Keywords | 炭化タングステン / 炭化ケイ素 / 焼結 / 硬度 / 機械的性質 |
Research Abstract |
金型で精密圧粉成形加工するためには,適切な潤滑剤を選ぶ必要がある。脂肪酸系としてオレイン酸,炭化水素系としてパラフィンを選び,WC-SiC系におけるSiC添加量と焼結体のかさ密度の関係を1900℃で調べた。パラフィンを用いた場合,4〜8mol%SiC添加で相対密度が98%であったのに対して,オレイン酸ではパラフィンよりも2〜3%低かった。組織を調べた結果,オレイン酸は,脱バインダー時に炭素が残りやすいことが緻密化に悪影響していると考えられた。そこで,潤滑剤にはパラフィンを用い,WC-4.85mol%SiCを基本組成として,WCの機械的性質をあまり変えないと予想されるMo_2Cの添加量と焼結体のかさ密度の関係を1900℃で調べた。Mo_2Cの添加は相対密度にあまり影響しなかったが,3mol%以上の添加では密度を低下させた。次に,焼結体の機械的性質を調べた。WC-SiC系のビッカース硬さは,SiCの添加量が4.85mol%付近で最も大きくなった。WC-4.85mol%SiC系では, Mo_2Cは硬さにあまり影響しなかった。破戒靭性値は,WCへの2mol%以上のSiCの添加では変化がなかった。また,WC-4.85mol%SiC系では,Mo_2Cの影響は見られなかった。したがって,Mo_2CはWC-SiCの焼結性や機械的性質にあまり影響することがないので,WCの使用量を減らすための添加剤として優れており,WC-4.85mol%SiC-1mol%Mo_2Cが推奨できる組成であることが分かった。この組成では98%の相対密度が得られるので,気孔はすべて閉気孔であると考えられ,HIP処理すれば完全に無気孔化することができると予想される。
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Research Products
(2 results)