2007 Fiscal Year Annual Research Report
潜熱蓄熱微粒子スラリーを応用した高効率コンパクト熱交換器の開発
Project/Area Number |
19560751
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
栗山 雅文 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (90107178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門叶 秀樹 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30272082)
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Keywords | 潜熱蓄熱材 / 蓄熱微粒子 / コンパクト熱交換器 / スパイラル型熱交換器 / 蓄熱カプセル |
Research Abstract |
申請者は先ず,科学研究費補助金(課題番号17560657)において得た,潜熱蓄熱カプセルスラリーの熱媒体としての優位性を整理し,投稿論文として成果を報告した。さらに本年度は,上述の成果に基づき,蓄熱微粒子スラリーを利用した実用コンパクト熱交換器の開発とその伝熱特性の評価を行った。具体的には,実用コンパクト熱交換器の一例として二重スパイラル型の向流式熱交換器を試作し,蓄熱微粒子スラリーを利用することによる優位性を確認した。 始めに,双方の流路に高温の水と低温の水を向流で流して熱交換実験を行った。その結果,二重スパイラル型の交流式熱交換器は,その構造の優位性から,直管型熱交換器よりも3位以上も伝熱能力が高いことが分かった。すなわち,微小かつ曲率の大きい流路を流体が流れる際の,二次流れの影響により,層流にもかかわらず高い熱伝達係数を示すことを明らかにした。 次いで,この熱交換器の一方の流路に蓄熱微粒子スラリーを流し,もう一方の流路の高温の水からの熱回収実験を行った。その結果,蓄熱微粒子スラリーの濃度などの条件によっては,水の場合に比べて1.5倍近くの熱交換能力があることも分かった。 今後は,異なる流路幅や曲率を有する二重スパイラル型熱交換器を設計し,その性能を把握するとともに蓄熱微粒子スラリーも適用した測定を行い,コンパクト熱交換器の実用化に寄与する。さらには,これらの熱交換器の積層を図り,交換熱量の増大を試みる。また,異なる温度の蓄熱微粒子スラリーを混合することで,蓄熱材の融解に伴う潜熱吸収温度範囲を拡大させた,いわゆる混合スラリーも熱交換器に適用し,その優位性を検討する。
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Research Products
(2 results)